佐竹 真紀子 展ー対岸に相槌ー

あの日から5年、東京のアトリエで過ごすうちに震災という出来事は意識から抜け落ちて、名前だけの空洞になっていた。
わたしにとってあの出来事は、本当は対岸の火事なのだろうか。
そうだとしたら、かつて町だった荒れ野をこれからも町と呼び続けるにはどうしたらいいだろう。
あの日から数年後、わたしは手作りのバス停を担いで海辺を訪れて、元あったであろう場所に置いてきた。
夏は誰かの敷地に生い茂る雑草を刈り、冬は木々にイルミネーションを灯した。
風景への非礼の相槌を通して、現地から遠く離れて生きるわたしたちとある町との関係を考えるために。　

本展では2014年～2016年までに制作した立体インスタレーションと映像による作品を、SARP 仙台アーティストランプレイスのスペースA及びBで発表いたします。
是非ご来場ください。
-プロフィール-
佐竹真紀子
1991　宮城県に生まれる
2010 武蔵野美術大学大学造形学部油絵専攻　入学
2016 武蔵野美術大学大学院造形研究科 美術専攻油絵コース　修了
個展
2014 新世代への視点2014「記憶する皮膚」ギャルリー東京ユマニテ、東京
2013　 「いつか芽吹く日に」ギャラリー・トリニティ、東京
2012　 「パラレルワールド」デザインフェスタギャラリー原宿、東京
展覧会
2016「武蔵野美術大学卒業・修了制作優秀作品展」武蔵野美術大学、東京
2015「Emmetropia – 震災後を見つめる 」Hibari-sha《雲雀舎》、長岡
2014「福島現代美術ビエンナーレ」喜多方市美術館　他
　　「武蔵野美術大学卒業・修了制作優秀作品展」武蔵野美術大学、東京
2013「NEW WORK FROM JAPAN」グリフィンギャラリー、ロンドン
2012「Emerging Contemporary Artists of Japan 2012 Exhibition」ニューヨーク
「ULTRA005」スパイラルガーデン、東京
　　 「THE SIX 2011」ラフォーレミュージアム原宿、東京
受賞歴等
2014 武蔵野美術大学卒業・修了制作展卒業制作優秀賞
　 「第１回CAF賞」入選
2012「リキテックスアートプライズ2012」準グランプリ
2011「ワンダーシード」入選（’12）

展示風景