2021.1.12~1.17
多田由美子展 「x氏の最後の晩餐」
2021.1/12(火)-1/17(日)
火〜金 13:30~18:30 土・日 11:00~18:30(最終日17:00まで)
(通常と開廊時間が異なりますのでお気をつけください)
絵画を紐解き探すために、身の回りの事物に材を取る。素材の形や大きさ、色や質を記号として捉えて、キャンバスの代わりのテーブルに配置していく。人のサイズに基づいているテーブル(タブロー)に、そこに人の都合で作られたもの(絵具)で関係性を生み出していくことは、絵画を考える手管として都合がよい。私はそれを「テーブル絵画」と呼ぶ。
今回の展示は、2020年3月に川口市のギャラリーアトリア で展示した6mのテーブル絵画を、 SARPのギャラリー空間一杯に展示する。「x氏の最後の晩餐」というタイトルには様々な意味が込められているが、一つには、x氏が最後の晩餐だと自覚し得るのなら、死期を予見したうえでの生命を繋ぐ食事ということになり、それは一体いかなるものかという問いがある。特に震災後は、生は死に内包され、死は私たちの隣に位置していることに無自覚ではいられない。テーブル絵画は、ものが並ぶ静物画、所謂Still Life、それは死せる自然でもあり、ものは生と死のあわいを掻き立てる。