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小林耕平×多田由美子「ことばとかわすことでつくること」

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小林耕平「2-9-3」2012年

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多田由美子「描くこと/書くことを巡って2」会場風景 2012年

テーブル絵画をつくろうとする男の話

パフォーマンスイベント

小林 耕平 × 山形 育弘(core of bells)3月19日(火)18:00?19:30

バンドcore of bellsの山形育弘と小林耕平が組んで行う、東京国立近代美術館60周年記念「14の夕べ」で大盛況だったパフォーマンス。今回は多田由美子のテクストに基づいて作り、作り替えられます。

トークイベント「言葉とイメージの関係性を巡って」

林 道郎× 小林 耕平× 多田由美子  3月30日(土)17:00?18:30

 東日本大震災から間もなく2年が経とうとしています。この展覧会は震災復興企画やアート支援といったものではないのですが、震災という日常の断絶が起きなければ構想されなかったものです。私自身、震災の混沌を目の当たりにして、美術と無縁なブランクを過ごし、美術の役割について考えるという原点に立ち返るとともに、作家として何か出来るのか悩みました。ボランティアやチャリティー、アート支援などの様々な方法があったと思います。しかし、自分に何ができるかを突き詰めた時に、作家として本当によい展覧会がしたいと思いました。よい展覧会をすることで、多くの人を満足させることができれば理想的です。そのために、私が自信を持ってお勧め出来る作家とともに、新しい提案的な展覧会が出来ればと考えました。それは、提案的なものなので、見る側も一緒に考えるというものです。ひとつのテーマについて様々な会話がなされる、それが最も大切だと思いました。

 今回の展覧会は、絵画、映像、オブジェクト、インスタレーション、テクスト、パフォーマンス、トークと多様な要素を孕んでいます。2人展の相手である小林耕平さんに、やや領域を横断した絵描きである私が「テーブル絵画をつくろうとする男の話」というテクストを提示し、小林さんと私の、双方向からそれぞれ作品をつくることにしました。テクストは物語仕立てで、絵画についてのアプローチとして、絵画でないところから考えてみたいと思っています。

 今回の展覧会の見所として、イベントを二つ企画しました。まずは、パフォーマンスイベントなのですが、昨年東京国立近代美術館で大盛況だった、山形育弘さんと小林耕平さんの美術談義のような形式のもので、東北では初の公開となります。もうひとつ、トークイベントは、作家のパフォーマンスに出演されるなど、近年活動の場を広げていらっしゃる、美術批評の林道郎さんをお迎えして3人で行います。これは今回の展覧会のテーマである、美術作品における言葉の機能といったことについて話すことになります。

 仙台で行われる展覧会なのですが、あえて遠方の方に来ていただきたく思っております。会場は仙台の作家がシェアして運営しているスペースになります。来ていただくことによって、仙台の現況が少しでも活性化し、復興につながるのであれば、何よりもそれが願うところです。

多田 由美子

作家略歴

小林 耕平

1974年生まれ/1999年愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業/2005年「ベリー・ベリー・ヒューマン」(豊田市美術館)/2007年「六本木クロッシング2007:未来への脈動」(森美術館)/2009年「ヴィデオを待ちながら?映像、60年代から今日へ」(東京国立近代美術館)/2011年「PLATFORM?距離をはかる?」(練馬区立美術館)/2012年「14の夕べ/14 EVENINGS」(東京国立近代美術館),個展「あなたの口は掃除機であり、ノズルを手でも持つことで並べ替え、電源に接続し、吸い込むことで語る。」(山本現代)他多数。

多田由美子

1965年東京都生まれ/1988年宮城教育大学卒業/2003年宮城県美術館公開制作, 公開制作展/2004年第19回ホルベインスカラシップ奨学者/2006, 08, 09, 11, 12年個展(ギャラリーなつか・東京)/2006, 07, 08年作家自主企画展「Scale-Out」(地下鉄泉中央駅ビル・仙台, 卸町倉庫・仙台, コバヤシ画廊・東京)/2010年「THE LIBRARY」(足利市立美術館)/2011年より「東北画は可能か?」にゲスト参加(イムラアートギャラリー・東京, 他)など。

主催等

主催:2人展実行委員会  後援・助成:仙台市市民文化事業団
協力:ARTIST’S GUILD , 山本現代, OFFICE IIDA

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